【院卒アンケート】インターンシップの参加実態とエントリーへの成果

この記事は「8, 9月にインターンシップに行って、秋には採用試験」を、お伝えするために書きました。

これ以上の最適解なし。各機関の数値データを掲載したので、院生の方は腑に落ちると思います。

グラフだけでも見て下さると書いた甲斐があります。

この記事の概要
  • インターンシップ参加率75%
  • 1~3社が40%、4~6社参加が29%
  • 50%以上の学生が、参加した半数以上の企業にエントリー
  • 参加時期は8~2月、実施は8, 9月がピーク
  • その他に参加動機・実施内容なども掲載

学部/専門学生でさえ参加

インターンシップの参加率は年々増えて75%前後。

正直「大学って就職指導しないのに、学生さんはしっかりしてるんだな」と驚きました。

就職白書2025(リクルート社/就職みらい研究所)より筆者作図

先生視点では、残り25%の学生さん達が心配。自分の人生なのに良いんですかね。

私が担任の専門学校クラスでは、参加率100%。必ず行ってもらってます。大学院生の就活が、学部生ましてや専門学生より「下」なのはダメですよ。


大学院生(理系学生)のアンケートでも同じく70%。応募も合わせると86%。大企業では応募しても抽選に外れることもあるからです。

アカリク社レポートより作者作図

どちらのアンケートも「リクナビ」「アカリクイベント」に登録している学生さんだからこその高い比率でしょうね。

就活は「みんながやってることはやらないと不利」「みんながやってないことまでやると有利」というセンス。せっかくの院卒・せっかくの新卒を無駄にしたくないです。やらない人を見ても益はなし。

なお細かい話ですが、「インターンシップ」の定義が2023年に変わりました。タイプ1~4の分類に。しかし受ける側には関係ないので、気にしないで大丈夫。


参加理由は「どんな業界/職種/企業かな」、就職の確認のため。想像通りですね。

アカリク社調査レポートより作者が再計算/作図

私も学部生時代に「IT企業ってどんなだろう」と、1社だけ行きました。

地元で有名な多事業企業のIT部門(現在は子会社として独立)に行きました。

2週間たっぷりと。最初の4日間はMOSを自習。

以後はバックアップ業務とPOSシステムのプログラム改良でした。ガソリンスタンドの会計で油種区分を増やす改良でした。聞いて分かる通り簡単。if文(switch文)を追加するだけ。設計してコーディングしてテストしてと、1つ1つ作業をしつつ上司に確認と報告をする一連を体験できました。

社員さんから前職場での大ミスの話など衝撃的でした。バグで電車止めたらしいです。昨今も銀行や電子決済が停止するニュースありますよね。

新たな学びばかりでした。MOS本と出会え、磁気テープが現役、日立オリジナルのOSとプログラム言語の取り扱い。関連記事:研究にも就活にも役立つ資格MOS


インターンシップに行かず、うっかり入社して「思ったんと違った」は、オトナとして恥ずかしいです。

私の専門学校でも、オープンキャンパスに来もせず入学して「思ったんと違った」と退学していく学生が30名に1~2名います。一教員として申し訳なく思いますが、入学理由が「親/先生に薦められて」「何となく」と聞くと…。

あなたは大学院生です。判断力・行動力は、高卒・専門卒より上であってください。


インターンシップの参加状況

1~3社参加した学生さんが40%、4~6社が29%。頼もしい数値です。

インターンシップも5日現地で「就業体験」だけでなく、オンラインで気軽に1日体験もあるので、意外と普通に4~6社になりますよ。

アカリク社調査レポートより作者作図


インターンシップの内容は各社様々。説明/PRのみならず、「グループワーク」「ハッカソン」など趣向を凝らした内容も。

HR総研/LabBase調査レポートより作者が再計算/作図

お話は3~4社も聞けば「どこも同じようなもんだな」と業界や企業の常識が分かります。次は「実務体験」「グループワーク」「現場見学」を1~2社。働くイメージが具体的になり「やっていけそうかな」「この業界で良さそうだな」と採用試験への勇気が持てます。


エントリーに繋がる成果

インターンシップは採用試験への大きな一歩になっているのが分かりました。

ざっくり半分以上の学生さんが、インターンで見た半分以上の企業さんにエントリーできています。

アカリク社調査レポートより作者作図

「インターンシップに申し込んだから、絶対応募」ではないです。

企業さん側も織り込み済み。「弊社を知ってもらえた」とPRや、「業界や教育に貢献できたかな」と社会的責任(CSR)の意味もあるので、気にしないで下さい。ただ旅費補助が出る場合、少し前向きに考えてあげると喜ばれます。

エントリーしたら「インターンに来てくれた学生さんなんだね」と、初手から好印象。こちらは「インターンで御社で働きたいと思いました」、あちらは「インターンで見てくれたから、しっかり長く貢献してくれそうだな」と、お互いに期待と信頼感。

信頼こそ大事。お互いに生活/人生が掛かっていますからね。


絶対に夏休みに始める

参加時期は講義のない夏休み(8, 9月)。

修士になって半年も経ってませんが、油断せず就活始めてますね。誰に教えられるわけでもなく、自分で調べて行動できるのは、さすが大学生/大学院生。

HR総研/LabBase調査レポートより作者作図

参加が2月まで伸びていますが、若干遅いかと。8月からじっくり続けているというよりは、内定が貰えなかったか、就活を始めるのが遅かったと推察できます。

大企業は12月までに採用が終わっているので、特にご注意を。人生の選択肢が知らぬ間に閉じます。


インターンシップの実施状況から。

注目は「タイプ3」。就業体験が受けやすい期間(5日程度)の狙い所。

夏休みに集中して、10月以降はガクンと下がってそのまま。もう10月には採用試験に入って、どんどん椅子を埋めている時期なんですね。

就職白書2025(リクルート社/就職みらい研究所)調査レポートより作者作図

「早くに注目した活動的な学生さんを採用するのが良い」。仕事でも先を見据えます。「後の後」のダラダラ人材より、「先の先」の賢い人材が欲しいですよ。

インターンシップは1~3ヶ月もすれば充分。秋前には、企業候補を挙げ、履歴書や面接の準備に入ってなければ「遅い」です。


まとめ | 「先輩たちの後悔」を生かし、「未来の自分から感謝」される行動を。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

最後に、就活を終えた先輩方の反省点。

群を抜いた1位「就活を始める時期が遅かった」には、色んなケースが考察できます。

「準備時間がもっとあれば」「インターンシップにもっと早く参加していれば」「採用試験にもっと早く応募してれば」。たらればたられば。時間は戻せず、みな等しく過ぎ去ります。

リクナビ/就活ジャーナル調査レポートより作者が再計算/作図

最悪なのは「大企業を受ける覚悟を決めたのに、もう締め切られてた」「しかもインターンシップ参加が応募条件だった」「もうここしか受けれる企業なかった」「この企業逃すと無職だ」など。

時間を無限には掛けられないし、どんなに活動しても完璧になりません。それでも、「未来の自分が理解できる状況」にはしてあげたいです。


インターンシップへの申し込み手段は「就活準備サイト」がダントツ75%。

「マイナビ」「リクナビ」さんは外せません。

私の専門学校では、6月頃に全員が登録。マイナビ2026など最新Webが公開されたら、ホームルームで登録。学校で両社主催の合同説明会にも行ってます。アマギフや飲み物もらえて学生さん喜んでます。

リクルート社/リクナビ調査レポートより作者が再計算/作図

大学院生に特化した「アカリクイベント」も登録を薦めます。「マイナビ」「リクナビ」は、どうしても母数が多い学部生がメインターゲット。院卒ならではの働き方/キャリアパスなどのセミナー、院卒を積極的に採用してくれる企業さんと出会う情報源が必要です。また長期インターンに特化した「UT-Board」もお薦め。大学院生に就職は失敗できないので、アルバイトよりも就職を意識したインターンシップが有効です。

インターンシップは、最初の1~2社は1dayオンラインで気軽に参加がお薦め。話を聞くだけなので。zoomやGoogle Meetなどのツール慣れがてら。本命企業の時にトラブルと超焦るので。

その後、3~5dayオンラインでグループワーク、オフライン現地で就業体験。それぞれ1社ずつは参加しておきたいところ。

ちやほやされるのも新卒で人生最後。

入社後の「未来の自分」から感謝されこそ、恨まれる活動はしたくないですね。


当ブログでは、私の大学院→大学教員→専門学校教員の経験に基づいた就活を書いてます。他に役に立ちそうな記事があったら、読んで頂けたら嬉しいです。

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